アトピー性皮膚炎
皮膚のバリア機能が低下する、アレルギー炎症が皮膚で起こる、痒みが生じて掻きむしる、といった要因それぞれが複雑に絡みながら、アトピー性皮膚炎の病態が形成されています。このため、治療にはこれらの要因をしっかり抑えていくことが重要となります。
また、アトピー性皮膚炎は、食物アレルギーや喘息、花粉症といったアレルギー疾患の危険因子になりうるといわれており(アレルギーマーチ)、アトピー性皮膚炎をしっかり治療することが、これらアレルギー疾患の続発を抑えることにもつながります。
気管支喘息
気管支の敏感さが強くなることで起こります。主には吸い込んでしまったものに対して気管支がアレルギー反応を起こし(体全体のアレルギー反応の一環としておこることもあります)、気管支粘膜が腫れたり気管支が収縮して、咳がでたり呼吸が苦しくなったりします。発作に対して気管支を拡張したり気道の敏感さを抑える治療をしますが、これによって一旦発作が治まっても、気道が敏感な状況が持続していると、刺激が加われば何度でも発作は繰り返し起こします。このため、発作を予防する(気管支の敏感さを抑え込む)ことが大事で、発作が起こらない状況を継続することでよりコントロールしやすくなります。
アレルギー性鼻炎
通年性と季節性のものがあり、いわゆる花粉症は後者となります。鼻汁・鼻閉・くしゃみ・目のかゆみといった症状が主ですが、睡眠不足や集中力の欠如をもたらす可能性があり侮れません(゚Д゚;)
内服治療、点鼻・点眼治療、アレルゲン免疫療法といった治療法があります。
食物アレルギー
乳幼児期の食物アレルギーの原因として多い鶏卵・牛乳・小麦等は、成長に伴い自然耐性を獲得する割合が多いです。このため、食物アレルギーの管理は耐性獲得までの期間の食事療法が中心となります。この時のポイントとして、安全性を確保しながら必要最小限の除去を心掛け、栄養面への配慮を十分に行う必要があります。
つまり、アレルギー症状を起こしたことがない食物に関して、『念のため』、『心配だから』、という理由で除去は原則行いません。食物アレルギーはあくまで、“特定の食物摂取によりアレルギー症状が誘発される”ということが前提ですから、たとえ検査で陽性の判定が出ていても、同様にその食物を除去することはしません。
アレルギー検査に関して
上記の様に、食物アレルギーは症状出現ありきです!このため、食物アレルギーを疑わせる症状はないが念のために検査を(就園前の検査も含めて)、というのは健康診断と同じ位置づけとなり、保険適応外の診療となってしまいます。つまり、検査そのものを行うことは可能ですが、全額自己負担(診察料+検査費)でお願いすることとなります(゚Д゚;)。
普段、子ども医療費助成で無料となっているため気づきにくいかもしれませんが、検査・治療には実際高額なお金がかかっていることもお忘れなく(;´・ω・)